【観光地を世界遺産として楽しむ】
こんにちは、朝型旅人です!
この記事では「白神山地」の見どころと、世界遺産としての価値をわかりやすく解説!
読み終わるころには、ただの観光地じゃない「白神山地」の魅力にハマっているはずです。
🌳 観光地としての白神山地 🌳

白神山地は、青森県と秋田県にまたがっている山岳地帯の総称です。
まぁ山×観光って言ったら登山、トレッキングですよね。
登山は、中~上級者向き。岩場があったり、アップダウンが激しかったりしますが、山頂からはブナ林や日本海まで見渡せる絶景です。登山口まではバスもあります。
白神山地周辺にある十二湖はアクセスもしやすく人気です。特に青池は、その美しさから有名になっていますね。こちらは初心者でも楽しめます。

初心者から上級者まで幅広い人が楽しめる。
トレッキングコースが整備されてて、自然も体感できちゃうと。
アウトドア好きにはたまらんですね。
🌳 世界遺産としての白神山地 🌳
はいじゃあ世界遺産の説明。
白神山地は1993年に世界遺産に登録された自然遺産です。でました、1993年登録。
1993年は日本で最初に世界遺産が登録された年です。なので、
白神山地は日本最初の世界遺産といっても過言ではないと。
まぁあと3件が同年に世界遺産登録されてはいますが。
1993年に遺産登録された他の遺産はこちら。リンクから各記事に飛べます。
- 法隆寺(正しくは法隆寺地域の仏教建造物群)
- 姫路城
- 屋久島
白神山地の登録基準はⅸのみ。ざっくり説明すると、
- ヨーロッパのブナ林よりも動植物の多様性が確認できるね!
ってことですね。
ほんで今回紹介する世界遺産としての「白神山地」の特徴は以下の通り。
- 動植物のサンクチュアリ(聖域)!10,000年前からの積み重ね!
- 258万年前からずっと”成長期”⁉
- 世界遺産だけど「関わりすぎない」良さ
じゃ、一つっつ説明しましょう。
動植物のサンクチュアリ(聖域)!10,000年前からの積み重ね!
白神山地は、一般に「動植物のサンクチュアリ(聖域)」と呼ばれています。
私が名付けたわけじゃありません。そう呼ばれるだけの理由がちゃんとあるんです。
実は、日本にあるブナ林は、ヨーロッパのそれよりも圧倒的に多様な植生を持ってるんですよ。
その差、なんと5〜6倍。
なぜかというと、ブナの歴史そのものが違うから。
日本のブナは、約10,000年前にはすでに現在のような分布に達していました。
一方、ヨーロッパのブナが今の分布を持つようになったのは、約2,000年前。
日本のブナ林は、長い時間をかけて独自の生態系を育んでこれたんですね。
それだけじゃありません。
ここは「手つかずの自然を守る」という考え方のもと、開発の手がほとんど加えられていません。
いまもなお、“本来の日本の森”の姿をとどめている、そんな場所です。
世界遺産に選ばれたのも納得ですよね。
というより、もう“世界遺産らしさ”がにじみ出てるというか、貫禄すらあります。
ツキノワグマ、ニホンカモシカ、クマゲラ。そんな日本固有の希少な動物たちが、今もこの森に生きているのは、先人たちが自然に手を加えず、見守ってきたからに他なりません。
ありがと先人。本当に。
258万年前からずっと”成長期”⁉
白神山地をかたちづくっているブナ林のルーツは、約2,580,000年前にさかのぼります。
…さかのぼりすぎですね笑。
これは地質時代でいう新生代第四紀更新世。氷河期が繰り返しやってくる時代です。
当時の白神山地は、一部がまだ海の中に沈んでいたとされてます。
でも、まさにこの頃から、白神山地の“成長期”が始まりました。
258万年前から今まで、白神山地は年間1.3㎜のペースで土地の隆起を続けています。
早い話、どんどん大きくなっているんですね。ってことはまだ第一成長期…?
まぁプレートとプレートのせめぎ合う変動帯にいるから納得はできますが、
このペースは日本列島のなかでも異常。
んで、ですよ。人間にも当てはまりますが成長期が続くと”成長痛”が来ますよね?
白神山地だと”地滑り”です。
白神山地は、成長 → 地滑り → また成長 → また地滑り……
そんなふうに、まるで山自体が生きてるかのように、成長と痛みを繰り返したと。
その結果として、今のような複雑な地形と、多様な植生が生まれたってなわけですね。
260万年くらい成長痛とか、白神山地かわいそう…

開発に見捨てられて、世界に選ばれた
つらつらと書き連ねてきましたが、
人間が介入しなかったから手つかずの自然を残すことができたってことが重要です。
まぁより厳密にいうなら「介入しなかった」のではなく、「介入できなかった」ですが。
白神山地に人間が介入できなかった理由は以下の通り。
- 地形が険しく道も通しにくい
- ブナは建材にならず、経済価値が低い
- 冬は深い雪に閉ざされる
――開発に適さず、見向きもされなかった土地だったってことですね。
でも昔に見向きもされなかったおかげで世界遺産として評価されたんです。
いまや人類共通の財産・世界遺産ですからね。
何もされなかったことに、意味があった。
それが、白神山地の価値です。
まとめ
誰にも見向きもされなかったブナの森。
でも、人間が手を出さなかったそのことが、未来の評価を決めました。
白神山地は、時代に取り残されたのではなく、
時代を置き去りにしてた場所だったんですね。
ようやく時代が白神山地に追いついてきた――と。
ここまでご覧いただきありがとうございました。またおいでくだされ。