【地域のストーリーを日本遺産として捉える】
こんにちは、朝型旅人です!
この記事では「出雲」に息づく歴史や文化、そこに込められた“物語”を、日本遺産の視点からわかりやすく紹介します。
読み終わるころには、ただの観光や知識ではなく、「出雲」という地域の奥深い魅力にきっと惹きこまれているはずです。
🪔観光地としての出雲🪔

まずは観光地としての出雲から。出雲があるのは島根県出雲市。
やっぱり一番の見どころは「出雲大社」ですよね。縁結びの神様として有名で、全国から多くの参拝者が訪れます。
ところで、縁結びの神様とは言いましたが、具体的には何の神様が祀られているんでしょうか?後ほど解説していきます。乞うご期待。
出雲大社の他には「日御碕(ひのみさき)」が名所ですね。日本海に沈む夕日は絶景。
近くに日御碕神社もありますよ。

これただの雑学なんですけど、旧10月のことは「神無月」っていうじゃないですか。でも出雲だけは違うんです。
「神無月」ってそもそも全国の神様があるところに行っちゃって神様がその地域に居なくなっちゃうから神無月なんですね。その神様が一堂に会するのが出雲なんです。
なので出雲周辺だけは「神在月」なんですね。
……こんな面白テーマあるんだし、出雲大社あるんだし、世界遺産でいいじゃんね。
🪔出雲の日本遺産ストーリ―🪔
まずですね日本遺産名から。
「日が沈む聖地出雲 ~神が創り出した地の夕日を巡る~」
いやかっこよすぎ。サブタイトルまでめっちゃ力入れてますね。
まぁ日本遺産はたいていサブタイトルも秀逸なんですけど。
かっこよさは一旦置いといて「日が沈む」って何でしょう。それは立地の問題です。
出雲は大和(現在の奈良あたり)からみて北西、日が沈む方向に位置していたことから日が沈む聖地として認知されていたんです。
出雲は「出雲大社」と「日御碕神社」の二つの神社が特徴的です。二つを比較したのがこちら。
出雲大社 | 日御碕神社 | |
別名 | 天日隅宮(あめのひすみのみや) | 日沈宮(びしずみのみや) |
神様 | 大国主大神 | 須佐之男命、天照大神 |
立地 | 伊佐の浜(薗の長浜) | 日御碕 |
海岸の特徴 | なだらか | 複雑に入り組む荒々しい景観 |
二社の神社は夕日にちなんだお社であることは共通しているものの、祀っている神様、周辺の海岸は異なっていることが分かりますね。
出雲大社に祀られているのは、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。国づくりの神として知られ、縁結びの神様としても信仰されてます。
恋愛だけでなく、仕事や人とのつながりなど“人生のご縁”全般にご利益があるといわれていますね。最強です。さすが出雲大社。
一方、海沿いにある日御碕神社には、太陽神・天照大神と荒ぶる神・須佐之男命(すさのおのみこと)が祀られ、厄除けや海上安全などのご利益で知られます。
出雲大社が「国を築く神」を、日御碕神社が「国を守る神」を祀る――。この2社を巡ることで、出雲が“国のはじまりと守り”の象徴であることが見えてきます。
付き合うときには出雲大社、結婚してからは日御碕神社ってなわけですな。
ところで、現在でも出雲では夕暮れ時の挨拶として「ばんじまして」という言葉が使われることがあるんですよ。「こんにちは」と「こんばんは」を繋ぐ挨拶です。
出雲の人々が夕暮れ時に特別な感情を抱いていたことが分かりますね~。

似ている世界遺産
以上から出雲では太陽(主に夕方ですが)を重要視していたことが分かりましたね。
私は「マチュ・ピチュ」が出雲の特徴と似ている世界遺産だと思いました。

共通点をあげる前に世界遺産としての「マチュ・ピチュ」の情報をまとめますね。
- ペルーにある複合遺産
- 標高2400mの高地にある都市遺跡
- 車輪や文字がなかったのに宮殿、神殿がある
- 絶滅危惧種の生息地域となっている
- インカ最後の聖地、ビルカバンバ説が出ていた
続いて出雲と似ているマチュ・ピチュの特徴
- 特定の時期に太陽が神殿を照らすように設計されている
→太陽の動きが重要な意味を持つ - 日時計と考えられている「インティワタナ」がある
→自然と親交が融合した場所
マチュピチュは、インカの信仰と自然が融合した聖地。その構造は太陽の動きと密接に関わっており、出雲の夕日を信仰に取り入れた特徴と重なる部分がある。
さらに、両者ともに地域文化や祭礼が行われている(いた)ことから、太陽信仰を中心とした文化形成の歴史的・社会的背景が共通していると捉えることもできますかね。
こんな点から私は出雲とマチュ・ピチュが似ているって考察しました。
ペルーは太陽信仰が進んでたのでペルーの他の世界遺産でも同じようなことは言える気がしますけどね笑。
まとめ
出雲はただの観光地ではありません。
…いやまぁただの観光地としても非常に優秀なんですが笑。
出雲大社で結ばれる縁と、日御碕神社で護られる国の安全――古代から続く「縁」と「守り」の物語が息づく特別な場所。
さらに、太陽を敬い自然と調和した文化という点で、ペルーのマチュ・ピチュとも深い共通点があると。
みなさんも出雲を訪れる際には夕日を見てそんなことを感じてみてください。
もっと旅が面白くなりますから。
ここまでご覧いただきありがとうございました。またおいでくだされ。