大王わさび農場は世界遺産になれるか?訪問して考察!

未来遺産

訪問地を遺産候補地として捉える
こんにちは、朝型旅人です!

この記事では「大王わさび農場」を実際に訪れたうえで、そこに眠る“遺産的価値”を
朝型旅人の視点から読み解き、ご紹介します。

読み終わるころには、きっとあなたも「大王わさび農場」を
ただの観光地ではなく “未来の遺産”として見てみたくなるはずです。

観光地としての大王わさび農場

公式サイトがあるので先に貼っておきますね。
こちらから飛べます。

まず、大王わさび農場ってのがどこにあるのかということですよね。
長野県の安曇野市にあります。

なんと入場料無料。観光客に非常に優しいお値段設定ですね。
駐車場も大きいし、無料
…別に1000円くらいだったら払いますよ、私は笑。

名前に「わさび農場」とかついてるので分かると思いますが、ここはわさびを育てている場所です。=綺麗な水が必要。

安曇野は扇状地特有の透水性の高い地質を持ってて、豊富な湧水が絶え間なく出てるんですよ。この「水の里」だからこそ、わさびの栽培ができるんですね。
わさび栽培はどこででもできるわけではないってことです。

ここで育ててるのは「大王わさび」。

わさびのオブジェありました。

大王わさびの特徴は、

  • 一般名は本わさび(日本わさび)
  • 日本原産のハーブの一種
  • 全ての部分を食べることができる
  • 生育に1年以上かかる。その分辛味強く、香り強い

こんな感じですね。
ここまで聞くと、ただのわさび畑で、観光地ではない気すらしますね~。

あるんですよ、観光ポイントが。

  • 透明すぎて底が見える水流
  • 水車小屋やわさび畑が作る“絵画みたいな景色
  • わさびソフト新鮮なわさびが味わえる直売所

写真映えポイントも多く、現地での食事も可能。
観光地として十分に楽しむことのできる場所となってます。
…というか、なっていました笑。

現地で食べたわさび飯。蕎麦も美味しかったです!

遺産としての大王わさび農場

湧水を使ってちゃっかり水車も回していました。しかも3連。

そんな観光地のどこに世界遺産の価値があるのかってことですが、
私が着目したのが登録基準ⅴです。

伝統的集落、人類と環境の交流ってやつ。
この基準は農業景観や文化的景観が特徴の遺産に多く見られます
私の思う大王わさび農場の特長はこんな感じなんですよ。

  • 清流を利用した農業景観の維持
  • 水質保全と観光振興の両立
  • 地域の文化的アイデンティティの象徴

より突き詰めて説明すると、

  • 1915年創業、100年以上の歴史を誇る国内最大級のわさび農場
  • 北アルプスの雪解け水が1日約12万トン湧き出し、常に13℃前後を保つ

これらが大王わさび農場の強みです。
農業景観でもあるし、文化的景観でもあるといえる特徴なんですよ。
これは世界遺産として十分に登録できる強み。

実際にこれらの特徴で世界遺産になっている遺産があるんですよ。
しかもたくさん。

フィリピンの「コルディリェーラの棚田群」とかフランスの「ブルゴーニュのブドウ畑のクリマ」が好例ですかね。どっちも水や地形を巧みに利用した農業景観で、地域文化の象徴です。

これらが登録されているんだから、大王わさび農場もうまく主張すれば登録できるはず。

あとは純粋に、「わさび農場」って世界的にも珍しいんですよ。
その点も評価されるのではないかと笑。

珍しいだけで保護する対象になりますからね。

もしかしたらこの基準も認められるかも…?

前述の基準ⅴは正直なところ通るんじゃないのと思ってます。
…あくまで私個人の主観ですがね笑。

次はひょっとしたらこれも通せるか?みたいなレベル。基準ⅳです。
人類の歴史の重要な段階を示す建築様式・技術的集積の優れた事例」これです。

わさび農場のわさび栽培って、山間部の冷水を上手く利用するために、水路を上手に組み合わせてるんですよ。ここに農業形態の独自性が見られるんじゃないかなと。

上にかかっている覆いが寒冷紗。訪問時にかかっていて一面真っ黒でした。
すさまじかった。

さらに追加で。夏季には、強い日差しを和らげるために「寒冷紗(かんれいしゃ)」っていう覆いをかけるんです。これでわさびに最適な半日陰を人工的に作ってます。

農業景観の中に人と自然の知恵が垣間見えますね。
これらの点をしっかりと主張できれば登録基準ⅳでも申請も可能かもしれないと思いました。

他の場所と複数登録の可能性

今までは「大王わさび農場」だけを世界遺産とする流れで記事を書いてきましたが、
ここでは他のわさび農場も含めた「日本のわさびの文化的景観」としての申請を考察してみます。

当然ですが、日本にあるわさび農場は「大王わさび農場」だけではありません。
静岡・有東木や岐阜・根尾など、日本各地にわさびの文化圏があります。

他のわさび農場も加えた方が、登録可能性が高まるんですよ。

正直大王わさび農場にとっては「大王わさび農場」で遺産登録できるのが理想ですが、
複数登録にすることで、「全国的な広がり」に説得力が出て、保存計画がしっかりするんです。

最近、日本国内で登録されている世界遺産は複数登録の傾向にありますし。
完全にメタ思考ですが複数登録の方が認定されやすいんですよ。昨今は。

「日本農場の代表的事例の一つ」とかの方が世界遺産委員会も認めやすそうですしね笑。

まとめ

わさびは日本食文化の象徴でもあります。寿司や蕎麦文化に密接に関係しており、世界に広がる和食の象徴でもあるってことです。

つまり大王わさび農場は「農業景観」であると同時に、
「和食文化を支える基盤」として未来に残す意義があるんですよ。

その中でも大王わさび農場は、観光地でありながら100年以上の歴史と環境保全を両立する、稀有な農業景観です。その美しさと価値は、間違いなく未来に残すべきもの。

訪問地を未来遺産として捉えることを趣旨としてる私にうってつけの場所ですね。
次の旅で、大王わさび農場の透明な水とわさびの緑を、ぜひその目で確かめてはいかが?

ここまでご覧いただきありがとうございました。またおいでくだされ。

📸番外編・映え型旅人📸

ここは私が大王わさび農場を旅行して撮った写真をただ貼るだけのコーナーです。

一級河川と100%湧水のコラボ。水質の全く違う川が島を挟んで流れている珍しい光景
…だそうです笑。手前の説明板からの受け売りです。
魏石鬼八面大王(ぎしきはちめんだいおう)っていう鬼だそー。
大王わさび農場の入り口にいました。
近くの道の駅に寄ったらこんな絶景スポットがありました。
訪れたのは「道の駅 旬の味ほりがね物産センター」です。
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