雪がすごすぎて婿が投げられるまち、十日町

日本遺産

地域のストーリーを日本遺産として捉える
こんにちは、朝型旅人です!

この記事では「十日町」に息づく歴史や文化、そこに込められた“物語”を、日本遺産の視点からわかりやすく紹介します。

読み終わるころには、ただの観光や知識ではなく、「十日町」という地域の奥深い魅力にきっと惹きこまれているはずです。

観光地としての十日町

十日町は棚田も有名。ここは「星峠の棚田」。

今回紹介する日本遺産があるのは新潟県南部に位置する「十日町(とおかまち)」。
ここは”究極の雪国”とも称される日本でも有数の豪雪地帯です。

十日町でまず有名なのは「大地の芸術祭」です。他にも「越後妻有雪まつり」も開催され、雪国らしいイベントが楽しめるのも魅力。

しかも、雪国らしく温泉もあります。日本三大薬湯とされる松之山温泉
源泉かけ流しで、雪見露天もあります。
行く際には宿泊がいいですね。

東京からは新幹線で越後湯沢駅まで行き、ほくほく線でアクセス可能。
何とか寒さを凌ごうと出した名前みたいでいいですね、ほくほく線。かわいらしい。

十日町の日本遺産ストーリー

今回紹介する日本遺産「究極の雪国とおかまち―新説!豪雪地ものがたり―」ですが、他の日本遺産とは少し特徴が違います。

色んなジャンルの「ものがたり」がたくさん含まれているんです。
いわば福袋。計5つの「ものがたり」が特徴です。以下の通り。

  • 着ものがたり
  • 食べものがたり
  • 建ものがたり
  • 祭りものがたり
  • 美ものがたり

全部説明すると長くなるので「祭りものがたり」と「美ものがたり」を抜粋して紹介しますが、全て「雪の中に楽しみを見出している」というのが最大の特徴です。

世界有数の豪雪地で営まれてきた「雪との共生」。
豪雪がもたらす孤立を逆手にとり、家族や地域の絆を強め、独自の文化や技術を育んできたっていうことが日本遺産のストーリーの核なんですよ。

もうこれだけ覚えてもらえばいいです笑。
あとの部分は備考程度に軽い気持ちで読んじゃってください。

祭りものがたり

十日町の人々は、降り積もる雪を「楽しむもの」として受け入れてきました。
そんな雪国ならではの伝統行事のなかでも、ひときわ衝撃的なのが「婿投げ」です。

名前からしておっかないですね笑。
結婚したばかりの婿を薬師堂の境内から投げ落とします。高さは5mほどで、雪の斜面に投げ落とされるので怪我とかはしません。良かった。

これ、なにがすごいって現代も毎年続いているんですよ。
むこ投げ・すみ塗り | 十日町市観光協会によると毎年1月15日に行われているそう。

ちょうど共通テスト真っただ中――
大の大人が、全受験生の代わりに落ちてくれているんですね。

雪が積もっているからこそできる伝統行事です。
都会でやったらただの殺人事件ですからね。

美ものがたり

十日町といえばやっぱり「大地の芸術祭」。
正式名称は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」です。

この祭りで何するかというと、自然と芸術が共存する”風景そのものが芸術館”みたいな空間を作り出すんです。その舞台は棚田や廃校、空き家などさまざま。

現代アート=都会のものっていう固定観念が壊されます

ところで、「自然×現代アート」で「美ものがたり」だと疑問抱きませんか?
昔からアート要素もあったんか?って。

そう思ってたら見つけちゃいました。

観光好きな方なら見た事あるかも。
有名な写真スポットですね。清津峡です。

これもここにあったのか…アートだなこれはもう。

似ている世界遺産

実は、十日町ととても似た特徴をもつ世界遺産があります。

それはオーストリアの「ハルシュタット=ダッハシュタイン・ザルツカンマーグートの文化的景観」です。ちなみに文化遺産です。自然遺産じゃないんですよ。

これ見ると「きれい」いがいの言葉出ませんね。死ぬまでには行ってみたい遺産の一つです。

この地域もまた、雪深いアルプスの山々に囲まれた小さな町。
19世紀後半あたりまで陸の孤島で、独自の文化や美しい景観を育んできました。

伝統的な産業と、それを取り巻く生活・信仰・建築文化。
さらには、山と湖に溶け込むような町並みの美しさ――

そのすべてが評価され、「自然と文化が共にある風景」として世界遺産に登録されています。

十日町も全く同じ。

雪という厳しい自然を“楽しむもの”に変えながら、祭りや芸術、景観といった「自然と文化が共にある風景」をつくり出してきました。

自然と文化の調和という点で十日町とハルシュタット=ダッハシュタインは似ている世界遺産であると考えました。以上!

まとめ

豪雪=過酷。そんなイメージはありませんか?
……私はあります。

でも、十日町では、それをアートにし、祭りにし、文化の一部にしてきました。
そんな“物語の積み重ね”こそ、日本遺産として選ばれた理由なんです。

この中で少しだけかわいそうに感じたのは婿くらいですかね笑。

ここまでご覧いただきありがとうございました。またおいでくだされ。

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