【観光地を世界遺産として楽しむ】
こんにちは、朝型旅人です!
この記事では「屋久島」の見どころと、世界遺産としての価値をわかりやすく解説!
読み終わるころには、ただの観光地じゃない「屋久島」の魅力にハマっているはずです。
🌲 観光地としての屋久島 🌲

屋久島は鹿児島県に位置する山岳島です。交通手段は飛行機またはフェリー。一度九州本土の鹿児島を経由する必要があるためアクセス難易度は少し高め。
こういうアクセス困難な場所に観光行くときは移動も楽しみましょう。
さて、屋久島観光と言えば「縄文杉」ですよね。
往復10時間近くの本格的な登山道を抜けた先にある大きな、大きな樹。
生命の神秘を感じることのできるなんだか神々しい場所ですね。
もっと気軽に屋久島を感じたい方は白谷雲水峡がおすすめ。あの「もののけ姫」の舞台として知られています。

他にも海沿いの秘湯「平内海中温泉」に入れたり、屋久シカや屋久ザルに会えたりと観光地としてもおすすめ。
🌲 世界遺産としての屋久島 🌲
そんな観光地としても良い屋久島ですが、世界遺産としての屋久島を知るとさらに面白い。
そんなわけで紹介していきます。
屋久島は1993年に世界遺産に登録された自然遺産ですね。1993年っていうのは日本で最初に世界遺産が登録された年です。
=屋久島は日本で最初の世界遺産といってしまっても過言ではないわけです。
ちなみに1993年に世界遺産に登録された遺産は、
- 姫路城
- 法隆寺(正しくは法隆寺地域の仏教建造物群)
- 白神山地
です。この四天王のうちの一角を担っているのが屋久島さんなんですね。
でもこの屋久島さん、実は屋久島全体が世界遺産な訳ではないんですね。
登録範囲は人の手があまり加わっていない部分、島全体の21%ほどなんです。
法隆寺は法隆寺より外側も世界遺産なのに、逆ですね。
屋久島の登録基準はⅶとⅸ。ざっくり要約するとこんな感じ。
- スギが並んでいる綺麗な景観だね!
- 気候帯が幅広いし、屋久島だけに残る貴重な自然が残っているね!
覚えておくと役に立つかもしれないんですけど世界遺産の登録基準ⅶに選ばれている世界遺産は総じて景色が綺麗ですよ。フォトジェニックですね。
世界遺産としての屋久島の特徴は以下の通り。
では順に説明していきます。
屋久杉は縄文杉だけじゃない
屋久島といえば「縄文杉」。その姿を一目見ようと、頑張って登山する人も少なくありません。でも実は、「縄文杉だけが屋久杉」ではないんです。
屋久杉とは、屋久島に自生する杉のうち、樹齢1,000年以上のものの総称なんですよ。
縄文杉はその中でもひときわ大きいだけ。ほかにも屋久杉はいっぱいあります。
屋久杉を見に行きたい方、「紀元杉」っていう屋久杉は車で近づいてから徒歩5分ですよ。
まぁ縄文杉行く人は頑張って歩いて見に行きたいんですよね笑。自分もそうです。
屋久杉は樹齢1,000年以上って書いたじゃないですか。
1,000年未満の杉は「小杉」っていうんですよ。
小杉が長い時間をかけて屋久杉になる。
出生魚みたいですね。
なんで屋久杉は長寿なのか
屋久杉は、世界的にも長寿な存在です。
日本人も世界トップクラスの長寿国だし関係あるんでしょうか。ありません。
なかには樹齢3,000年を超えるとされる杉もあり、その理由には、屋久島ならではの“自然のしくみ”が深く関係しています。大きく2つ。
まず、島の地質は花崗岩(かこうがん)でできてるんです。なんか中学校理科くらいで聞いたことがありますね。玄武岩とか安山岩とか流紋岩とか閃緑岩とか…。
花崗岩の地盤って土に養分がほぼないんですよ。養分が少ないので杉の成長するスピードが遅い。
……これだけ聞くとなんかマイナスみたいに聞こえますね。
でもそうじゃないんです。プラスなんです。
成長スピードの遅くなった杉は年輪の幅が狭くなって、最終的に幹には他の地域の杉の6倍以上の樹脂が蓄えられるんです。
樹脂は防腐・防虫効果を持っているので、倒れにくく、数千年単位で生き続けられるんですね。
もうひとつの屋久島の自然の仕組みは、高温湿潤ですね。年間平均降水量4651.7mm、そんで平均気温は19.6℃。雨量、気温は気象庁|過去の気象データ検索が検索元。
降水量、平均気温ともに全国平均と比較してとても高いです。
この理由は世界で最も水温の高い海流である「黒潮(日本海流)」の存在。
月に35日雨が降る
林芙美子『浮雲』
こんなことまで言われる始末。
黒潮の影響で豊富な水蒸気供給
↓
多雨
↓
杉がゆっくりと成長
↓
樹脂たまる
↓
長寿!
つながりが分かると面白いですね。
また、多雨地域なので屋久島内には多くの川や滝があるんです。

屋久島という環境が、屋久杉を「長寿の森の主」として育てた――それが世界自然遺産としての大きな価値のひとつなのです。
屋久島だけで日本が完結する
この言葉は「屋久島さんさえいれば東京も大阪も京都もいらないんじゃボケィ!!」みたいな屋久島至上主義ってことではないです。
屋久島では日本列島の自然が凝縮されているんです。
屋久島には、標高1,900メートルの宮之浦岳を頂点に、亜熱帯から亜高山帯までのすべての植生帯が存在しているんですよ。
海岸にはヤシ科の植物が茂り、山を登るごとに常緑広葉樹、屋久杉、冷温帯針葉樹へと景色が変化。この一島で、日本の植生がすべて見られるってわけです。
屋久島全体の大きさは約504平方キロメートル。横浜市より少し大きいくらいのサイズ感。
この大きさで日本の植生が全部入ってるの、すごくないですか?
植物学者とか大歓喜でしょこれ。
まさに屋久島は、「日本列島の自然の縮図」。
その特異な環境が、世界自然遺産に選ばれた理由の一つです。
まとめ
屋久島は、日本に5件しかない珍しい自然遺産です。
縄文杉や白谷雲水峡の景観の背後には、黒潮よる多雨な気候、花崗岩の地質、そして屋久杉が千年単位で育つ環境があります。
そのすべてが、世界遺産としての価値に直結しています。
自然遺産ですから。
観光を楽しむだけでなく、「なぜここにしかないのか?」という視点で見ると、屋久島の奥深さがいっそう際立って感じられるはずです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。またおいでくだされ。