行けないのに行きたくなる⁉神宿る島・宗像沖ノ島の不思議旅

世界遺産

観光地を世界遺産として楽しむ
こんにちは、朝型旅人です!

この記事では「宗像・沖ノ島」の見どころと、世界遺産としての価値をわかりやすく解説!
読み終わるころには、ただの観光地じゃない「宗像・沖ノ島」の魅力にハマっているはずです。

⛩️ 観光地としての宗像・沖ノ島 ⛩️

福岡県宗像大島からみる沖ノ島の沖津宮。一般観光客はこの写真を撮るのが限界。

今回紹介するのは福岡県にある宗像大社沖ノ島ですね。

観光地としては……あんまり有名じゃないんでしょうか。
逆に言えば厳粛な雰囲気の世界遺産を楽しむことができます。

まぁあまり観光地化していないのでこの章はパパっと説明しますね。

宗像・沖ノ島での観光ポイントはズバリ、宗像大社と地元グルメです!これに尽きます。

宗像大社は有名です。全国各地にある宗像神社の総本山で、女性の守護神ってことが有名です。女神祀っているのはかなり珍しいんですよ。
神社マニアは来るってことですね。

あとは地元グルメですね。宗像は玄界灘に面していて、イカ、アジ、タイ。これらが有名です。

観光地としての説明はこんなところですかね。
んじゃ、世界遺産としての説明にうつりましょう。

⛩️ 世界遺産としての宗像・沖ノ島 ⛩️

宗像・沖ノ島と関連遺産群」は、2017年に登録された文化遺産ですね。割と最近。

この遺産はですね、宗像大社三宮(辺津宮・中津宮・沖津宮)と、沖ノ島を中心とした関連遺産から構成されてます。

登録前には沖ノ島とその関連遺産のみの登録になる予定でしたが、直前で宗像大社も評価されました。

宗像大社が入ってなかったら、誰も知らない観光地になる可能性ありましたからね。あぶなかった。

この遺産の登録基準はⅱとⅲ。ざっくり説明すると、

  • 500年間の古代祭祀の移り変わりが分かるね!
  • 「神宿る島」としての文化的伝統が続いているね!

こんな感じですかね。
んで、今回紹介する「宗像・沖ノ島」の世界遺産としての特徴は以下の通り。

ほいじゃあ一つずつ紹介していきましょう。

神宿る島を、遠くから“見る”という信仰

沖ノ島は「神宿る島」と呼ばれ、島全体がご神体とされる特別な場所で、一般客は入れません。この「禁足地」としての扱いは、世界遺産の中でも極めて珍しい特徴となってます。

文化遺産で入れないって中々すごいことなんですよ。
観光地化もできないし、細部も理解できないし。

なんなら祭祀を担う神職すら制約があります。
現在は、宗像大社の神職1人が約10日交替で島に常駐して、毎朝神事を行っています。
非常に厳格なんですね。

そんな孤島を人々は遠くから望みながら祈りを捧げていました。「遥拝」っていいます。
見えないものにこそ意味がある”っていう日本古来の信仰のかたちかもしれませんね。

宗像大社沖津宮遙拝所。ここでも、晴れて、空気の澄んでいる日じゃないと沖ノ島は見えない。遠い…。

ちなみに遥拝は富士山信仰でも用いられていました。詳細は富士山の記事にて。

禁足地なのでいまだに沖ノ島の詳細は分かりません。
でもそれが、この遺産の世界遺産たる所以なんです。

国宝が80,000点以上⁉正倉院越え沖ノ島

突然ですが、皆さん「正倉院」って知っていますか?
そうです。学校で習ったあれです。奈良県東大寺にある宝庫

あれも世界遺産の一部なんですよ。
古都奈良の文化財」っていう世界遺産の。

その正倉院は現在整理されているだけでも、約9,000点の宝物が収蔵されています。
十分すぎるほどに凄い。

ですが。

沖ノ島には約80,000点の奉献品が眠っています。
しかも何が凄いって、その全てが国宝に認定されているんです!

島の神聖さを損なわぬよう、地中に残されていたため破壊されることもなく保存されていました。
現在は宗像大社神宝館にて見ることができます。

「“信仰の継承”がカギ。基準ⅵを手に入れろ!

この遺産の登録を行った際、日本は登録に際して基準ⅱ、ⅲ、ⅵを主張していましたが、ⅵは認められませんでした。

登録基準ⅵとは、平たく言うと「人類の歴史上の出来事や伝統、宗教、芸術などど強く結びつく遺産」です。基準ⅲとは少し異なっているんですよ。
そして、現在も生きて機能しているということが特徴です。

沖ノ島の信仰は今も続いてはいますが、

  • 一般公開されていない(沖ノ島)ため、「生きた伝統」が確認しにくい
  • 信仰と地域社会の結びつきが十分にないとみなされた

こんな理由から基準ⅵを満たすことができませんでした。

じゃあもし、基準ⅵを追加で認定してもらうには何をしたらいいのかを私なりに考察してみました。
結論から言うと、宗像・沖ノ島を日本遺産として認定するです。根拠は以下の通り。

  • 日本遺産と世界遺産は重複しうる(ex石見地域)ので、日本遺産としても登録可能
  • この遺産は日本遺産の「信仰」「人々の暮らし」というテーマに合致してる
  • 日本遺産認定によるさらなる認知度の向上

まぁ要は日本遺産に登録すれば、信仰と地域社会の結びつきをより詳細に調べる機会が増すから、世界遺産としての基準ⅵに足る根拠も出てくるのでは?って案です。

2025年現在、福岡県にある日本遺産の件数は2件のみで、決して多くはありません。
新規に日本遺産登録される余地は十分にあります。

そんな考察でした~。

まとめ

観光地としてはマイナー。でもそれが、この地の神秘性をより際立たせています。

「行けないからこそ、価値がある」
そんな逆説的な魅力を持つのが、この遺産の真骨頂なんですね。

いつか、宗像の信仰が“生きた文化”として世界に伝わる日まで――
観光地をただ巡るのではなく、世界遺産として楽しんでみるのも面白いんじゃないですか?

ここまでご覧いただきありがとうございました。またおいでくだされ。

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