1000km先の楽園へ──世界遺産・小笠原諸島を知ってから旅しよう!

世界遺産

観光地を世界遺産として楽しむ
こんにちは、朝型旅人です!

この記事では「小笠原諸島」の見どころと、世界遺産としての価値をわかりやすく解説!
読み終わるころには、ただの観光地じゃない「小笠原諸島」の魅力にハマっているはずです。

観光地としての小笠原諸島

母島にある小剣先山からの景色。自然と一体化した生活って良いですよね。

今回ご紹介するのは「小笠原諸島」。
日本列島からなんと1,000kmも南に位置する、まさに“東京都の秘境”です。

飛行機では行けず、唯一の交通手段は片道24時間かかるフェリー「おがさわら丸」。
さらに運航するのは週に一度という絶望的なアクセスの悪さ。

この交通の便の悪さが逆に良いですよね。もはや。

小笠原観光の中心は父島母島です。大自然にまつわる体験は一通りできますよ。
ホエールウォッチング、ドルフィンスイム、サンゴ礁でのシュノーケリング、星空観察…。

小笠原グルメとしては島寿司や、島レモンを使ったスイーツなども人気。観光というより「生き方を見つめ直す旅」と言いたくなるような、心をリセットできる場所です。

世界遺産としての小笠原諸島

そんな小笠原諸島は、2011年に「小笠原諸島」として登録されている自然遺産です。
登録基準はⅸ。ざっくり説明すると、

  • 種の多様性をたどることができるね!

です。こんな美しいのに基準ⅶ(自然美)はないんですよ。
私がユネスコなら加えてますけどね笑。

今回紹介する世界遺産としての「小笠原諸島」の特徴は以下の通り。

  • 「日本のガラパゴス諸島」はガラパゴスとは違う!海洋性島弧の不思議
  • 哺乳類はたった1種!?コウモリに見る小笠原の生態系
  • メグロで学ぶ島鳥の特徴とリスク

一つずつ紹介していきます~

「日本のガラパゴス諸島」はガラパゴスとは違う!海洋性島弧の不思議

小笠原諸島は「日本のガラパゴス諸島」と呼ばれることがありますね。
まぁ、生態系が独特って点では似ていますが、この2つ決定的に違う個所があります。

それが島の成り立ちですね。
ガラパゴス諸島は火山島なのに対し、小笠原諸島は海洋性島弧なんです。

海洋性島弧火山島
成り立ちプレート同士の衝突で海底が隆起し、火山活動で形成されるプレート上のホットスポット(熱源)からマグマが噴出してできる
火山活動一部は活動を終えており、地形の侵食が進んでいることもある現在も活発なことが多い
生態系生物の流入が極めて少なく、
固有種が非常に多い
比較的アクセスしやすく、
種の流入も多め
具体例小笠原諸島、マリアナ諸島ガラパゴス諸島、ハワイ諸島

この成り立ちの違いが、小笠原諸島の生態系に大きな影響を与えています。

以降でこの影響を受けている生物を紹介します。

ちなみにガラパゴス諸島も世界遺産ですよ。興味のある方は押さえておきましょう。

哺乳類はたった1種!?コウモリに見る小笠原の生態系

小笠原諸島に生息する野生の哺乳類は、なんとたった1種類しかいないんですよ。
いや逆に1種類いることを喜ぶべきですかね。

オガサワラオオコウモリ。ちょっと怖い。これで大型夜行性か…

唯一の哺乳類は「オガサワラオオコウモリ」。翼を広げると1m近くにもなる大型のコウモリです。
コウモリらしく、夜行性。

なぜ哺乳類がこの1種しかいないのか?
その理由は、小笠原が「一度も大陸とつながったことのない海洋島」だからです。

地続きで来ることができない以上、この島にたどり着けるのは、空を飛ぶか、海を漂うかのみ。
1,000㎞ですよ、日本列島から。

コウモリはその条件を満たす、数少ない哺乳類だったんです。

そんでさらに、新しい環境に適応し、生き残り、子孫を残して初めて「定着した動物」として生態系の一部になれるんですよね。

オガサワラオオコウモリは、そんな倍率を乗り切った勝ち組な訳です。

ですが、

現在、このコウモリは絶滅危惧種に指定され、保護活動が続けられています。
理由は外来種の侵入による生息地減少。

コウモリは、島の植物の花粉を運んだり、種子を拡散させたりといった「生態系のつなぎ役」としても重要な役割を果たしています。

哺乳類が1種類しかいない小笠原諸島からしたらオガサワラオオコウモリがいなくなるのは生態系の崩壊に等しいですからね。しっかり守らないと。

メグロで学ぶ島鳥の特徴とリスク

さっきは哺乳類の話でしたが、今度は鳥類の話。

現在、小笠原諸島に生き残っている固有鳥類はメグロっていう鳥だけです。

メグロ。かわいい。小笠原諸島にしかいないのが悔やまれますね。

メグロは全長約15㎝程度の鳥で、母島と妹島、向島にのみ生息しています。

ここで紹介したいのは、
メグロが「島鳥の特徴」を体現しているってことです。

  • 昆虫や果実を警戒心無く食べる
     →天敵がいないからできる行動
  • アリを食べる蟻酸を持つため、普通の鳥は食べない)
     →食物資源が少ないから食べる
  • 飛べるけど飛ばない
     →エネルギーの節約&天敵いないから逃げる必要ない

メグロを見ていると、外来種がきた瞬間に淘汰されるんだろうなぁと思います。
これこそが島鳥の特徴なんです。

超かわいいんで守ってあげたいですね。
現在では外来種の駆除事業が発達していて、外来動物の駆除が進んでいます。
よしよし。

「メグロ」って聞くとちょっと混乱しませんか?

そうなんです。
東京の「目黒区」と名前がそっくりですが、まったく関係ありません。ただの偶然です。

さらに、「メジロ」とも似た名前ですが、これも別の種
どちらも「スズメ目」ではありますが、分類上は別グループ。
小笠原のメグロは、その名こそ似ているものの、まさに“唯一無二”の存在なんです。

まとめ

小笠原諸島は、行くだけで“特別”が始まる場所です。
24時間の船旅、アクセスの不便さ、生き物たちの独特な進化、
そのすべてが「普通じゃない」から、私たちの感覚をリセットしてくれます。

そして、それは「観光地」だけじゃ不十分。
この島には、「世界遺産」としての深い意味があるんですよ。

小笠原を訪れるということは、
観光を超えて、地球の成り立ちや生態系の奇跡に触れる旅”ってことでもあるんです。

そのことを知ってから行くと、長いようで短い小笠原旅行を余すことなく楽しめますよ。

ここまでご覧いただきありがとうございました。またおいでくだされ。

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