あの信長が“おもてなし”!? 日本遺産が語る信長公の意外な素顔

日本遺産

地域のストーリーを日本遺産として捉える
こんにちは、朝型旅人です!

この記事では「岐阜城」に息づく歴史や文化、そこに込められた“物語”を、日本遺産の視点からわかりやすく紹介します。

読み終わるころには、ただの観光や知識ではなく、「岐阜城」という地域の奥深い魅力にきっと惹きこまれているはずです。

観光地としての岐阜城

こんかい紹介するのは岐阜城です。織田信長が天下統一する際に拠点としたお城ですね。
まぁより厳密にいえば、今回紹介するのは戦国城下町・岐阜です。

信長って「泣かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」の句もあることから、好戦的・野蛮な性格の持ち主というイメージがついていますが、文化人の側面も持っていたんですよ。

そんな文化人・信長の一大拠点だった戦国城下町・岐阜はみどころがたくさん。
観光する際のポイントをいくつか紹介します。

岐阜城の日本遺産ストーリーのみ見たい方はこちらから飛べます。

鵜飼

岐阜といえば、鵜飼(うかい)が盛んです。

鵜飼ってのは「鵜を操って川にいる魚を獲る漁法」のこと。まぁ平たく言えば漁師ですね。鵜飼は主に高級魚・鮎(アユ)が獲れます。豊かな味わいと栄養価の高さから人気の高い魚です。

鵜。カワウ。鵜飼する人はこの鵜を操って魚を獲ります。鷲を操っている人とイメージは近いです。

そんな鵜飼、現代でも行われていて、実際の鵜飼を見ることができるんですよ。
それが鵜飼観覧船ってもの。1300年以上続いている岐阜の伝統、訪問するなら見ておきたいイベントですね。

鵜飼のようす。現在はこの活動を無形文化遺産にするべく、尽力しています。

ちなみに鵜飼はかつて「鵜匠(うしょう)」と呼ばれ、様々な特権を与えられていました。これは、獲れた鮎が献上品として将軍家に納められていた歴史が背景にあるため。

みなさんも鮎を将軍気分で食べてみてください。

川原町界隈

川原町とは、湊町・玉井町・元浜町のことを指します。
ここの特徴は城下町の面影を残しつつ、モダンな店舗も受け入れてること。

昔の良さを残しながら、現代の魅力も兼ね備えている場所なんです。
休憩や、お土産探しに最適な観光地です。

観光するならここは寄っておきたい場所ですね。

古き良き趣はそのままに、カフェや雑貨店などが近年増加傾向です。
レトロ×モダンの好例ですね。

ホタル

岐阜って実はホタルがよく見えるんですよ。
その中でも岐阜城観光とセットで訪問するのにおすすめなのが大安寺川。

大安寺川では毎年ホタルまつりを行っています(6月初旬~中旬)。
時期が合うならば、ぜひホタル観賞もしてみてください。

ほたる祭りについては以下のサイトを参考にしてください
大安寺川ホタルまつり|イベント|岐阜県観光公式サイト 「岐阜の旅ガイド」

岐阜城の日本遺産ストーリー

この遺産は登録名が「「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜」です。
まぁ岐阜って言ってるくらいだし、登録範囲は岐阜県岐阜市のみの地域型日本遺産ですね。

まず気になるのが「信長公のおもてなし」って箇所。
先ほども書きましたが、実は信長って文化人だったんですよ意外と。

なので有名な人が岐阜城にきたら、きちんと「おもてなし」をする人だったんです。
ホトトギス殺す人とは思えませんね…。

そんで、それらの「おもてなし」をまとめた遺産がこの日本遺産なんです。
=この遺産は信長のやさしさってことですね。

信長のやさしさ一つ目は、御伽衆(おとぎしゅう)です。御伽衆ってのは接待役、文化的集団のこと。異国から来た人に、岐阜の文化を見せてあげたんです。

堺の商人、津田宗及(つだ そうぎゅう)って人が岐阜城に訪れた際は、この人の為に茶会を開いて接待が行われました。踊り、おやつ、贈り物、美濃の料理…。津田宗及さんの影響力の強さと、織田信長の寛容さが垣間見えるエピソードです。

これで、宗及さんからの好感度アップを狙ったんですね。頭も切れます織田信長。

信長のやさしさ二つ目は、「場」の設えです。もっと具体的に言えば、NGなく来賓の方が見たいといった場所を案内してあげたということ。

たとえば迎賓館、たとえば城郭、たとえば天守…といった具合で。
これってかなり凄いことなんですよ。岐阜城の中にまで来賓を招き入れているので、城の内部構造とか分かっちゃいますからね。かなりのデメリットもありそうな気がしますが。

まぁ信長はやさしさを見せることによる、外交・文化交流の強化を狙っていたのでしょう。事実、信長公の「もてなし」を受けたルイス・フロイスや、山科言継は信長のもてなしを称賛してますしね。

そんなもてなし精神にあふれてた信長が作った宮殿は「地上の楽園」として称されています。やっぱりホトトギス殺す人とは思えませんね…笑。

私の思う「信長のおもてなし」の良いところは
「見る」ことと「体験する」ことが同時にできるって点です。

城から見下ろす眺望、川原町での町歩き、鵜飼の体験、そしてもてなしの所作──
来賓がただ座ってもてなしを受けるだけでなく、体験することもできるもてなしというのが信長が意識した「おもてなし」なのかなと考えました。

まぁただの私の持論ですけどね笑。

こういう信長の「おもてなしの心」は、現代の岐阜にもちゃんと受け継がれてます。

たとえば長良川の鵜飼では、観光客に向けた「観覧船での体験」だけでなく、漁を始める前の「鵜匠の献灯」や「かがり火の儀式」など、伝統の所作そのものが“もてなしの舞台”として丁寧に演出されています。

また、川原町では古い町家を活かしたカフェやギャラリーが増え、昔ながらの町並みと現代のライフスタイルを調和させながら、訪れる人を温かく迎えてくれます。

つまり、信長の時代に生まれた「おもてなし」が、いまも生きてるんです。
このことを学んでから岐阜に行けば、ちょっとした将軍気分を味わうことができますね笑。

似ている世界遺産

こんかい紹介した岐阜は「おもてなし」の心が特徴的な遺産でしたね。
ただ、これは残忍な織田信長像が定着していたからこその登録だとも思っています。

これを踏まえて、私の考えた類似している世界遺産はスペインにある「グラナダのアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区」です。…登録名が長くて、イメージしにくいですね笑。

この遺産の特徴は以下の通り。

  • イベリア半島最後のイスラム王朝の都、グラナダについての文化遺産
  • ヘネラリーフェ離宮は「アセキアの中庭」が有名
  • 中世イスラム様式と、近世イスラム様式が融合してる

この世界遺産で一番特徴的なのが「アルハンブラ宮殿」です。
知名度も他の構成資産と比較すると高めですね。確か高校世界史で触れているはずです。

アルハンブラ宮殿。たしかに要塞とも、宮殿ともとれる見た目ですね。

この遺産の特徴的なことは、要塞と宮殿が一体となっていることです。
つまりは、軍事拠点が「おもてなし」の場になってるってことですよ。
岐阜の日本遺産と似ていますね。

「守るための場所が、人を迎え入れる場所にもなる」
この点でこの世界遺産は岐阜に共通していると感じました。

まとめ

岐阜の日本遺産は、「織田信長のもてなしの心を、地域全体で体験できるストーリー」です。

戦いの拠点でありながら、文化交流の最前線でもあった岐阜。
御伽衆による接待、来訪者を城内部にまで案内する度量、
そして現代に続く鵜飼や川原町の“迎える文化”。

信長の時代に芽生えた「おもてなし」が、今の岐阜にも受け継がれていると感じられます。

観光で訪れる人も、歴史が好きな人も、視点が変わるはずです。

ぜひ、次の旅では“信長のおもてなし”に思いを馳せながら、
岐阜の町を歩いてみてください。

ここまでご覧いただきありがとうございました。またおいでくだされ。

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