🏺世界に誇る焼き物の兄弟都市!🏺

日本遺産

地域のストーリーを日本遺産として捉える
こんにちは、朝型旅人です!

この記事では「かさましこ」に息づく歴史や文化、そこに込められた“物語”を、日本遺産の視点からわかりやすく紹介します。

読み終わるころには、ただの観光や知識ではなく、「かさましこ」という地域の奥深い魅力にきっと惹きこまれているはずです。

🏺観光地としてのかさましこ🏺

こんかい紹介するのは「かさましこ」です。
これだけ聞いてどこのことかわかる人はいないでしょう。
なんたって二つの地名を組み合わせたものなので。

「かさましこ」は茨城県の笠間市と栃木県の益子市の二つの知名の総称です。
「かさま」+「ましこ」=「かさましこ」って寸法。

ろくろでの陶芸。私も一度やったことありますがこれがまぁ難しい

この二つの場所に共通する特徴は「陶芸」です。
詳細はあとで説明するとして、まずは観光地としての説明から。

笠間と益子は、電車や車で日帰り圏内に収まり、誰でも気軽に訪れることのできる観光地です。どちらもアクセス悪くないですしね。

笠間では春の陶炎祭(ひまつり)ってイベントが一代行事。
笠間芸術の森公園で、200を越える窯元が集まり、野外に並ぶ数々の器を購入できちゃいます。
身近な展覧会みたいなものだと思っていただければ。

公式サイトもあるので興味があればぜひ。
笠間の陶炎祭(ひまつり)公式サイト

笠間焼の抹茶茶碗。粘りがあり細かい粒子の蛙目粘土(がいろめねんど)って粘土で作られてます。
丈夫で汚れにも強く、日常で使用する雑器などに多く使われてます。

益子のイベントも負けてません。こちらは陶器市が名物。
春と秋の年二回開催です。これ毎年やるとなると結構忙しそう。
ここでも露店や作家のテントが立ち並んでいて、作り手さんの声を実際に聞いたりもできます。

こちらも公式サイトあるので以下略。
益子陶器市

益子焼のどんぶり。
県内で採れる陶土は気泡を多く含んでいて、ぽってりしたあたたかな手触りが特徴です。

笠間にも益子にも陶芸体験の工房があり、手びねりや電動ろくろで器を作ることができます。
器は軽くても長く使えるものが多く、旅の思い出として持ち帰る価値高めとなってます。

観光しに行くときのアドバイスとして、体験工房予約は必須。現地でその場の流れでは体験できないところもあるので注意。

手びねりで一時間、電動ろくろで数十分といったコースが一般的なので旅の計画に組み込みやすい時間ですね。焼き上がりは数週間後に宅配されることが多いので荷物を気にせず参加できます。

笠間の作家は比較的自由な作風が多く、益子は土の味わいを生かした素朴な器が得意
どちらの陶芸をしたいかは気分次第で決めちゃってください。

作風に違いはあれども、笠間も益子も、作り手と使い手の距離が近い“暮らしの器”が中心です。自分が作ったものをただ飾るのではなく実際に使うことができるのはうれしいですね。

🏺かさましこの日本遺産ストーリー🏺

…正直「観光地としてのかさましこ」で説明したこともありますが、
こんかいの日本遺産、遺産名は「かさましこ~兄弟産地が紡ぐ”焼き物語”~」です。
笠間市(茨城)と益子市(栃木)にまたがるからシリアル型の日本遺産ですね。

ここで紹介するのは、かさましこの成り立ち~現在です。
流れで覚えるのが大事な遺産なので先に時系列順にまとめてみますね。

11~16世紀  笠間・益子ともに宇都宮氏のもとで支配
16世紀後半~ 宇都宮氏が豊臣秀吉に敗れて笠間・益子が別々の領土に
18世紀後半  笠間藩の名主が焼き物(後の笠間焼)を始める
19世紀後半  久野窯での焼き物を学んだ人が益子焼を始める
明治時代   笠間・益子それぞれで組合設立、特約を結ぶ

こんな感じですね。要点をまとめると、
一度は離れ離れになった二つの土地が陶芸を通じて同じ方向を向いたってことです。

だからこの遺産名にも「兄弟産地」とか書いてあるんですね。

とはいっても順風満帆な道のりではありませんでした。
一時期は陶器の需要が減り、かさましこ存続の危機に直面することもありました。

ここで従来の陶芸に固執せずに挑戦を続けたのが「かさましこ」の凄いところ。

伝統的な素朴さを残しつつも、現代の生活に寄り添うデザインや新しい焼成技術を取り入れ、生活道具としての実用性と美しさを両立させたんですよ。

笠間焼の鉢。かわいい。

結果として、現在では多数の陶芸家がこの地域に拠点を置いて、多彩な作風が共存する「作陶の楽園」として知られるに至ったと。職人魂光りますね。

地域の魅力を外に伝えるため、陶器市や陶炎祭のような大規模イベントも定期開催。まぁこれらは前述しているので深くは触れませんが、こーゆー祭りは単なる陶器の売買の場にとどまらず、生活文化としての「器」を再確認する機会をも提供してるんですよ。

ずっと続いてほしいイベントたちです。

似ている世界遺産

かさましこと似ている世界遺産、探してみて気付いたんですけど、全っ然ない!笑。
主に陶磁器関連の遺産を探してみてたんですけど、その関連の遺産はまだ世界遺産になっていなかったり(暫定リスト)、無形文化遺産の方に登録されていたり…

そんなこんなで今回あげる世界遺産は正直こじつけ感強いです笑。

エカチェリーナ宮殿。部屋全体が琥珀でおおわれている「琥珀の間」が有名。別名「夏宮殿」。

まぁまぁ言い訳はここまでにして、私が似ていると考えた世界遺産はロシアにあるサンクト・ペテルブルクの歴史地区と関連建造物群です。まずサンクト~の特徴は以下の通り。

  • 帝政ロシア時代の都
  • 西欧文化を取り入れ、多くの運河と橋がある
  • もともとは人が住みにくい環境だったが、風景と家並みが調和するまでに成長

まぁ正直上記の特徴を見るだけでは何が「かさましこ」と類似しているのかが分からないと思います。かさましことの共通点、それは、伝統と新しさを融合させた芸術文化の拠点であること。

かさましこでは、笠間焼・益子焼といった伝統的な陶芸を基盤にしながら、現代的なデザインやアートを積極的に取り入れてると説明しました。

一方のサンクトペテルブルクも、古典的な教会や宮殿に最新の都市計画が調和したことで、芸術の発信地として輝き続けているんですよ。

どちらも、伝統と革新が見事に溶け合った街としての特徴が見られるってことですね。
…やっぱり共通点が弱いな笑。

まとめ

かさましこは、笠間と益子という兄弟の産地が育んだ暮らしの器文化。伝統と革新が混ざり合う現場では、作り手の息遣いがそのまま器に宿ります。

さらに単に良い器がある場所のみならず、人々の暮らしと結びついた陶文化の現在をも示してます。日常へ持ち帰る器を探す旅に、ぜひ笠間と益子を選んでみてください。

ここまでご覧いただきありがとうございました。またおいでくだされ。

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